子どもの居場所は住まいの中でとても大切なことは言うまでもありません。
居場所のない子どもは住まいの外に居場所を求めてさまよいます。
子どもの居場所は子ども部屋とも密接な関係がありますが、子ども部屋=子どもの居場所ではありません。
一般的には子ども部屋を快適にして子どもの居場所だと勘違いをしている人がたくさんいます。
それでは子どもの居場所とは、どんな場所なのでしょうか?
子どもが心安らぐ場所、子どもが癒される場所、子どもが安心できる場所・・・
心安らぎ、安心できる場所があるからこそ、自立への新たな挑戦ができると言えます。
住まいは子どもが健やかに成長していくための心の成長という重大な役目を担っているのです。
子どもの居場所づくりは生まれた時からすでに始まっています。
赤ちゃんの時にはお母さんの腕の中が一番の居場所かもしれません。
それがおすわりができるようになり、ハイハイ、あんよができるようになって次第にひとりの行動が出てきます。
お母さんやお父さんの気配を感じることのできる場所、それが子どもにとっての心安らぐ場所です。
幼稚園、小学校と大きくなるにつれて、子どもは少し自立して親離れしたくなります。
それで個室が欲しくなってくるのです。
どのタイミングで子ども部屋を与えるか・・・議論は尽きないと思います。
個人差はありますが、子どもが「ほしい。」と言った時が子ども部屋を与えるタイミングだと思います。
ただ、個室はできる限り狭く、ゆっくり眠るだけの機能のみにして、たくさんの物を持ち込まないのこと、そして、子どもが子ども部屋に長くとどまらないようにすることが原則です。
子どもは成長過程で親とのスキンシップの時間がとても大切なことは言うまでもありません。
子ども部屋を快適にしてしまうと、子ども部屋に引きこもって家族との人間関係を育むことができない状態で大人になってしまう危険性をもっているからです。
また、動物行動学的にも狭いスペースの方がゆっくり眠れることをご存知でしょうか?
子ども部屋は最小単位にして、家族の気配を感じるリビングを最大限居心地の良い場所にすることが大切です。
そしてリビングに子どもの居場所を確保するのです。
子どもは個室は欲しいけれども家族の気配が感じられる時間を潜在的に欲しているのです。
子どもが成長していく過程では、個としての自分を確率する場所(子ども部屋)と人間のあたたかさぬくもりを感じる場所(リビングの居場所)という相反する両方の場所が必要なのです。
子どもは家族のあたたかさ、家に居る時の安心感を感じることが重要です。そしてだんだんと親離れをしていくのです。
リビングに子どもの居場所をつくる具体例として子どものワークスペースをつくります。
いわゆる子どもの縄張りをリビングに意図的につくってあげるのです。
ワークスペースというと大袈裟ですが居場所のブログでもご紹介したようにカウンターを一枚用意するだけのものです。または、あまり得策ではありませんが机をリビングに置くことでも良いでしょう。
学習机が得策ではないのはリビングの雰囲気には合わないものが多いので居心地良さが半減してしまうからです。
さらに、リビングで勉強する子どもは子ども部屋で勉強する子どもよりも成績が良いという統計もあります。
勉強している時の心の安心感が、子どもの能力を最大限に発揮できる状態になり、結果良い成績になるということです。
さて、あなたの家のリビングに子どもが居たくなるような、心安らぐ子どもの居場所はありますか?