吹抜けのあるリビングが好きです。
人が気持ちが良いと思える空間づくりです。
吹抜けがあると、同じ広さでも人間はその倍くらいの広さを感じることができます。
広さだけでなく人間の錯覚を利用して空間をつくります。
低く狭いところから高くて広いところへ向かう開けた空間は、より高さや広さを感じるから不思議です。
あなたもこんな経験はありませんか?
人がやっと通れるくらいの狭い山道を歩いていて、急に空が開けて広場に着いた時の解放感は、広場がより素敵な空間に思えたり、広く見えたりするかもしれません。
すごく窮屈で狭いところから広いところに出た時の感覚は広さをより際立たせる効果があります。
お茶室のにじり口などは、その効果を利用しています。
そんな、人間が持つ錯覚やカラクリを利用しながら住まいの空間を創っていきます。
一般的には、何畳のリビングというように、平面の広さで部屋を考えがちです。
しかし、人間が感じる空間の広さは、何畳という平面的なものだけではないことがお分かりになるかと思います。
人は身体全体と五感で空間を感じているのです。
写真のように、
2階の手すりを向こうが見えるように抜け感をつくるとより広さを感じることができます。
また、吹抜けのリビングは1階と2階とをつなぐ役割もします。
手すりから手を振ったり、1階のお母さんが2階の子ども達に
「ご飯できたわよ~」
「はーい!」
というような会話が聞こえてきそうです。
2階から1階にいるお母さんの気配を感じて、子どもは無意識のうちに安心感を感じることができます。
ほっとできる安心感のある住まいは、子どもの成長に欠かせないものです。
吹抜けのあるリビングは、何気ない会話が生まれ、
やさしい安心感で家族をつなぐ役割があるのです。